損したくないのに、知らず知らずのうちに損をする人。
こんにちは。餅味噌教授です。
損したくないのに、損してる人っていますよね。
色んなところにありそうな話です。
今回のお話は、「大は小を兼ねる」の話。
大は小を兼ねると言われ続けていますが、本当にそうなのでしょうか。
ミニマリズム的な考え方になってから、このことわざの恐ろしさを感じています。
さて、難しい問題ですが、私の最近の事例から少しずつ考えていきましょう。
本当に、大は小を兼ねるのか
先日、私に影響されて自転車を買おうとした友人が言いました。
「一番いいやつ買おうと思う。まあ、もちろん値段によるけど。でも、どれがいいのか分かんなくなってきた。」
…私がお金を払うのではないので、お財布事情にあわせて買えばいいと思います。しかし、違和感が感じられました。
よくよく内容を聞いてみると、スピードが出したいということのようです。それで、自転車ショップの人へ話を聞いてみたところ、良いグレードのものをどんどん勧められたとのこと。
…そりゃ、そうですよね。良いグレードのものの方が、良いに決まってます。
これは用途の問題で、どこまで必要なのかを検討すれば、どのくらいのグレードのものが良いか分かりそうなものなのです。
でも、損したくないじゃないですか。
だから、後悔しないように、とりあえず、良いグレードのものを選んでおく、とか拡張性の高いものにしておくっていう選択になりますよね。
こういう話って、そこら中にありませんか?
とりあえず、一つ上のランクで。とか。
とりあえず、将来を考えて、余分に。とか。
大は小を兼ねるから大丈夫。という言い伝えを信じると、安心を得られますよね。
でも、この ”とりあえず” って、どっかできいた言葉とリンクする部分があると思いました。
「どんぶり勘定は低収入より、恐ろしい。」
やっぱりこの本、すごいですね。(”節約に潜む罠”の記事でも紹介しました。)
そう、この”とりあえず”って”どんぶり勘定”と似てるんです。
この本のどんぶり勘定の治し方は、家計をまず把握すること。予算を作ること。
要するに状況を把握して、目標を設定すること。ですね。
これは、”とりあえず”にも効果があると考えます。
今の状況を把握して、目標を明確にすれば、その”必要”が見えてくると思います。
でも、将来それ以上が欲しくなったら…
それ以上が欲しくなったら、また、お金を貯めて買えばいいのです。それは、またその時の”必要”になるのですから。
大は小を兼ねたが、余分をもたらす
結果的に言えば、大は小を兼ねます。おそらく、その場合が多いでしょう。
しかし、必要な部分からはみ出した”大”は”余分”を生みます。
結局、はみ出した”余分”は、実は、大したことがないのです。
おそらく、「あー、あって良かったなぁ」。くらいの感想だと思います。
「どうしても、これ以上が欲しかったのに!」なんて、果たして本気で思うでしょうか。
どうしてもパンが焼きたくて、オーブントースターを買うとします。
どうしてもパンが焼きたいのです。これが重要です。
でも、ランクが上のオーブントースターは、ケーキを焼けるようになっています。しかも、パンをこねて作れるように発酵機能も付いています。
もしかしたら、将来やるかもしれないし…
それ、多分やりませんよ。
2、3回はやってみるかもしれません。せっかく機能があるし。
でも、パンを焼く目的で買ったものは、パンを焼くことしか使わないのです。どうしても、パンをこねて作ってやりたい人は、別な方法で、積極的にやると思います。本当に、それがやりたくなったら、新たに買うべきだと思います。
結果的に、損したくないと思って”大”を買ったら、”余分”を損していることになっているのです。
おそらく、この煩わしい”余分”をなくしていく作業が、ミニマリズムに通じていくのだと、感じています。
世の中は、”良いもの”、”便利なもの”に溢れています。
それは、誰にとって”良いもの”で、誰にとって”便利なもの”なのでしょうか。
真剣に考えてみること。
これも時には必要なのかもしれませんね。