カルタ「や」。振り返れば「ヤツ」がいる。
こんにちは。餅味噌教授です。
今日のカルタは「や」です。
これは私の小学生時代の思い出です。
私の友達に少しキザ…というか、カッコつけたがりのオカジマくんという友達がいました。
彼は結構太っているので、ちびまる子ちゃんでいうと、大食漢の小杉くんに似ています。
カッコつけたがりなのですが、ちょっと言葉も間違ったりするので、いまいちキマらなかったりします。
そんなオカジマくんが家に遊びに来ることになりました。そこで一言。
小学生の私が、”複雑な感情”を初めて抱いた「や」
「ヤツ、持って行くからよ。」
そう言い放った彼は、
ポテチを持って現れた。
(解説)
オカジマくんの中で、
カッコつける=丁寧語を使わない
という方程式があります。
お味噌汁を味噌汁と言い、お母さんを母さんと言い始めた頃、彼は「お」なんてつける奴はダサいやつだ。と考えていたのでしょう。
私は、彼に「ヤツ、持って行くからよ」と言われた時、私は、色々と想像が膨らんでしまいました。
「ヤツ、持って行くからよ」
・・・ヤツ、連れて行くからよ。の間違い?ヤツ・・・誰??
何?脅し??怖い・・・オカジマ怖い。
私は少しネガティブ思考が強い方です。そして、想像力がたくましい方なのです。
それから彼の全ての言動が、脅しに聞こえてきました。
「ヤツのこと、言うなよ」
・・・ヤツ、誰?私の知ってる人?一体誰?怖い・・・もう嫌だ!
そして、遊びに来た彼と喧嘩になりました。
私は、初めて取っ組み合いの喧嘩をしました。
泣きながら、オカジマの頬を殴る私。少し涙目になったオカジマくん。
彼は、ゆっくりとポテチをバッグから出しました。
彼はオヤツのことをヤツと言っていたのです。
なんとヤツの正体はポテチだったのです・・・
なんて憎めないヤツなんでしょう。私がポテチを好きなのを知っていて、持って来たのです。そしてなんと愚かな喧嘩をしてしまったのだろうとひたすら反省をすることになりました。
小学生の私が、怒りと謝罪と恥ずかしさと嬉しさと面白さと、こんな複雑な感情になったのは初めてでした。
せめて、”カシ”と言ってくれればわかったのに。今では青春のほろ苦い思い出です。ごめんよ。オカジマくん。
現在のカルタは「や」と「た」